
「イマーシブ・オーディオ()」という言葉は、2010年、AES(※1)国際カンファレンス東京でAURO-3Dの発表を行ったAuro Technologies社(※2)の会長、Wilfried Van Baelen(ヴィルフリート・ヴァン・バーレン)氏が、「3Dオーディオは、聴く者をその音楽世界に没入させてくれる。だから、3Dオーディオのことをイマーシブ・オーディオ(Immersive Audio)と呼ぼう」と言ったことが語源となっている。
イマーシブ・オーディオは、3Dオーディオ、3Dサラウンドなど、さまざまな言葉で呼ばれていた「マルチチャンネル立体音響」を指す言葉として定着しつつある。Apple MusicのAtmosコンテンツで耳にするようになった「空間オーディオ」という言葉も、同様の考え方に基づくものである。
これらの言葉はすべて、横方向、高さ方向、前後方向の3次元で表現される音響を指しており、基本的には前後左右上下に配置した8個以上のスピーカーで再生することを前提としている。
また、ヘッドホン3Dオーディオなどと呼ばれる、ヘッドホン用のバイノーラル音声も、イマーシブ・オーディオのカテゴリーに含めることができる。そのため私は、これら臨場感の著しい音声のことを「イマーシブ・オーディオ」と呼ぶことにしている。
なお、本サイトでは「イマーシブ・オーディオ」と「3Dオーディオ」という言葉を混用しているが、3Dオーディオは技術的な規格や定量的な説明の場面で用い、イマーシブ・オーディオは広く立体音響を指す場面で用いる。
※1)Audio Engineering Society:1948年に設立された、世界最大かつ唯一の国際的な音響技術専門家団体。
※2)現在、Auro Technologies社はGoer Dynamics社となっている。
